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京都・西本願寺、プラ製靴袋の配布やめました 苦渋の決断、その理由とは

西本願寺(京都市下京区)が4月から、靴を入れるために参拝者へ配布していたプラスチック製の袋の配布を取りやめた。新型コロナウイルスの感染拡大で袋が再利用できなくなり、地球温暖化対策の面から廃止を決めた。ただ多くの参拝者が訪れる本山だけに靴を巡るトラブルは長年の課題で、今後は靴袋の持参を呼びかけていくという。

同寺の阿弥陀堂や御影堂では、入り口に袋を設置し、靴を入れられるようにしていた。使用後の袋は回収し、再び別の参拝者に提供していた。

 同寺によると、参拝者が多い時には靴の履き間違えや紛失といったトラブルが頻発するため、袋に入れて堂内へ持ち込んでもらっていたという。数十万人が訪れた2012年の遠忌法要では特製の靴袋を用意するなど長年、靴対策には注意を払ってきた。

 だが、新型コロナが拡大し始めた2020年度以降、袋を介した感染を防止するため再利用を中止した。その結果、年間約2万枚を消費し、植物由来のプラスチックを25%含んだ袋を使用しているものの環境負荷は大きいと判断し、廃止を決めた。

 4月以降は、靴袋の持参や御影堂に隣接する龍虎殿のげた箱の利用を呼びかけている。当面は混乱を避けるため、大規模行事に限って靴袋の配布も検討する。同寺は「阿弥陀堂内陣も修復が完了したので、ぜひ靴袋を持参してお参りしてほしい」としている。