ホスピタリティ再考②

ホテルのホスピタリティの考えに関する変化は私たちがホテルマンをしていた、30年以上前とは、格段に変わってきています。

わたしたちの頃は、無言、無笑顔、きりっとした、かしこまったサービスが主流だったように思えます。日本のホテル御三家やプリンスホテルが隆盛の時代ですね。

今、考えるとあれはホスピタリティではなく、サービスと呼ばれていたものなんだろうと思います。

今更ではありますが、ホスピタリティとサービスの語源の違いを、昔、新入社員に説明したことがあります。

ホスピタリティはホスピスが語源で、癒しの意味。

サービスはスレイブが語源で、奴隷の意味。

日本のホテル、旅館はサービス料を取っています。

つまり、そこにはお客様は神様という意識があり、お客様の言うことは絶対という感覚。

サービス=奴隷とは思ってはいないでしょうが、感覚的には似たようなものだったと思います。

お客様から対価をもらって、サービスをする。

それが日本のホテルマンの誇りでもあり、日常の通常でした。

だから、何千人の顧客の車種とナンバーを覚えているドアマンが伝説となり、お客様の好みを覚えていて、着席したらそれが出てくるというホテルのレストランはお客様にとって心地よいという風潮になりました。

今でもそのようなサービスが売りのホテルはあると思います。

果たしてそれがホスピタリティでしょうか?

そして、外資系のホテルが増え、わたしが昔いた、星野リゾートも成長し、ホテルサービスがホスピタリティに移動していく時期が来ました。

特に、今までデベロッパーや電鉄、航空関係、老舗のホテルチェーン店がホテル運営をしていたのですが、外資が入り、異業種からホテル運営に入り込み、今までのホテルサービスではなく、ホスピタリティに目を向けるようになりました。

今までのホテルサービスの常識は覆されることになりました。

特に、リッツカールトン大阪がオープンしたあたりは、日本中のホテルが、リッツカールトンのホスピタリティを参考にして、追いつけ、追い越せという感じでした。

その時に、感動を与えるサービスという言葉が独り歩きしていたように思えます。

お客様が望むものを提供して、お客様が満足するようなことをするのが通常サービス。

感動サービスはお客様が望む以上、思ってもみなかったサプライズ、期待値を越えるサービスを提供すること。

ホテルは感動的なサービスを与えないといけない。

ホテルはお客様が思ってもいないような感動を与えないとけない。

わたしは、この考え方がある意味、日本のホスピタリティを後退させたと考えています。

                                     つづく

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ホスピタリティ再考①

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