帝国データバンクによると、昨年1年間(2019年1~12月)の人手不足倒産(負債1千万円以上の法的整理)は前年比20.9%増の185件と、4年連続で過去最多を更新した。業種別ではサービス業が54件と最多。建設業の49件が続き、この2業種で全体の過半を占めた。
建築職人、ドライバー、IT技術者、介護スタッフ、美容師など、専門職の定着や確 保に窮した小規模企業の倒産が目立っている。
負債総額も同46.1%増の326億8800万円と、過去最多となった。
負債規模別件数をみると、2019年は「1億円未満」が101件(前年比 11.0%増、構成比 54.6%)と過半を占めた。「1〜5億円未満」は72件(前年比 33.3%増)でこれに続いている。
13年の調査開始時は件数34件。以来、15年を除き、毎年増えている。ただ、19年の伸び率は前年の44.3%増から縮小した。
業種別では、サービス業(同31.7%増の54件)と建設業(同6.5%増の49件)の2業種で全体の55.7%を占める。以下、運輸・通信業(同10.0%増の33件)、小売業(同18.8%増の19件)、卸売業(同142.9%増の17件)が続く。伸び率では卸売業がトップ。製造業は同33.3%減の8件と、唯一減少した。
調査開始以降7年間の件数を業種細分類別にみると、「道路貨物運送」が74件と最多。「木造建築工事」(43件)、「老人福祉事業」(37件)、「受託開発ソフトウェア」(29件)が続いている。