アメリカは売上を落としたり、売掛を回収できなくなったりして危機を迎えている中小企業群に対して、政府として大規模なローンを企画し、法制化しました。
この救済ローンは米国史上最大のもので、世界でも聞いたことのない返済不要のローンです。
雇用を維持することが返済不要の条件
この「返済不要」のローンは、税務当局や各金融機関への通達はほぼ終わっており(実質的な申し込み受付が金融機関によってまだ足並みが揃わない)、まもなく全米の金融機関で始まるものとみられています。
200兆円に上る緊急経済対策にもりこまれる直接給付金とローン、間接給付の3本柱もひとつで、500人以下の中小企業事業者を対象に、総額で35兆円の枠をとっています。
「返済不要」のローンは、PPP(Paycheck Protection Program)といい、 雇用保護プログラムとしてのローンで、言い換えれば中小企業が雇用を維持するための貸付金で、一定の条件を満たせば、債務放棄になります。
これは政府が雇用を守るためにつくったローンなので、金を企業が別な用途に使わないように、あくまで、新型コロナウイルスのために職を失った人を救済するために限定。雇用を維持することが債務放棄の条件なで用途以外に使えば、免除はされません。
具体的にPPPは、事業者が最大、月次平均給与額の2.5倍の額を借り入れることができます。条件は、借入契約締結日から起算して8週間にわたる雇用が必須。事業上の財務状況の逼迫の如何は特に問題にはならないので極端な話、従業員を雇い続けるのならば、コロナの影響で儲かっている会社でも「コロナ不安」を主張すれば利用できる可能性があります。
雇用調整助成金に似ているが、資金使途は厳格で、ローンの75%以上が給料支払いに使われていなければ債務免除はありません。つまりあくまでローンであって、助成金ではないのです。
また、ローン発生時と同等の人件費を払っていることを想定しているものなので、もし人件費が25%以上減少(解雇など)すると、債務免除額も割引されます(全額免除がなくなる)つまり、「社員をクビにしなければ金を貸したことを忘れる」という政府の政策なのだ。
政府でなく市中銀行が窓口
貸主は政府(米国中小企業庁)であるにも関わらず、政府を窓口とせず、市中銀行を窓口にしていることも、行政を新型コロナ騒動でパンクさせないため、かつ、この金融支援のスピードを圧倒的に早いものにしています。
大手銀行ではすでに申請フォームやQ&A集ができており、オンライン申請も始まっています。
仮に債務を免除されなくても、金利1%で、無担保無保証ローン、かつ6カ月は元本払い据え置きです。
窓口は政府でなく市中銀行