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ビデオ会議の参加が苦痛!…大きな不安を引き起こす「Zoom障害」の対策法

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ビデオ通話をする際に、自分の顔がどのように見えているのか、極度の不安を感じる現象のこと。ビデオ通話中の自分の外見を気にしすぎるあまり、不安を感じたり、気が散ったり、参加すらためらうことを指します。

ビデオ会議に参加することに苦痛を感じ、見た目を整えるために非常に多くの時間を費やし、通話中は画面上に映る自分の外見に気を取られ、それが普通だと思っていたら、Zoom障害かもしれない。

この用語は、2021年1月、マス・ジェネラル病院皮膚科の医学博士であり、公衆衛生学修士(MPH)のシャディ・クローシュ氏が、研究チームとともに行った調査から生まれたものです。

134人の皮膚科医を対象としたこの調査では、56.7%が、パンデミックの間に美容に関する相談が増加したと回答。なんと症例の86%で、 美容サービスを受ける理由にビデオ会議が挙がったという。さらに、回答した皮膚科医の82.7%が、ビデオ会議の利用が増えたことで、患者が自分の外見に不満を持つようになったと述べています。

2021年の夏にクローシュ氏が行った追跡調査では、7,000人以上の参加者のうち70%が、対面式の生活や仕事に戻ることについて何らかの不安を感じていることが判明した。

「大きな理由の1つは、人々が自分の見た目に自意識を持っていること。さらに、ビデオ会議やSNSに多くの時間を費やしている人たちの間で、より高いレベルの不安がみられました」

クローシュ氏らは、Zoom障害を引き起こす原因として、2つの要因を指摘した。1つは、それまで自分の外見を見つめる時間が少なかった人が、突然毎日何時間も外見と向き合うようになったこと。そしてもう1つは、フロントカメラが実際に私たちのイメージを歪めていることである。

正面から、しかも近い距離で映すため、パソコンのカメラは私たちの顔を平らに、鼻を大きく、目を小さく見せるのだとクローシュ氏説明する。また、多くの人が目を細めて画面の文字を読むことがあるうえ、カメラ位置が顔より下のアングルになることが多いため、あごのラインがたるんで見えたり、二重あごに見えたりすると指摘する。つまり、私たちがまだ心理的に自分の姿を歪めていなかったとしても、カメラが物理的にそれをやっているのだ。

さらに心理学的な観点からも、会議中に自分の姿を見ることは、普段は外見にこだわらない人にとっても、独特の不安感を与えることがある。オハイオ州立大学ウェクスナー・メディカル・センターの心理学者であるジェニファー・カーター博士は、次のように説明する。

「相手が顔の前に鏡を持っている状態で会話をしているようなものです。相手の話を聞き、それに対応しながら、自分の見た目をチェックすることは、脳にとってもキャパオーバーなことだといえます」

Zoom障害によって仕事や社会生活に支障をきたしていると感じたら、専門家に聞いたいくつかのテクニックを試してみることをおすすめする。

・Zoomによる影響を意識する
ビデオ通話中の自分の姿に驚いたとき、Zoomの画面に映る顔が、実は現実を歪めたものだと知れば、不安を和らげるのに大いに役立つとクローシュ氏は説明する。「原因を知るだけで、大抵の方は気持ちが楽になるようです」。

・誰も自分を気にしていないと理解する。
おでこに刻まれた深いしわを、他人が見ているかといえば、そうでもない。皮膚科医のダイアン・バーソン医学博士によると、私たちは皆、自分自身にとって最も厳しい批評家であるという。「自分が思っているほどひどくはない、他人は自分ほど気づいていないかもしれない、と思うと励みになるのです」。

・Zoomを暴露療法として利用する。
なかなか断りづらいZoom通話を、上手く利用してみよう。毎日何時間もZoom通話にログインすることで、暴露療法(不安にさらされていると次第に慣れていくことを利用した治療法)のような効果を得ることができるという。化粧をしていない顔を映し出しても、同僚が怯えないならば、外見がその人の価値を決めるのではない、という真実を教えてくれるはず。