タイに在住していると日本て保守的なのか利権が絡んでいるのか不明だが先進国と言われている割には、銀行の送金システムが後れているなと感じることが多いです。
昔友人にお金がないから銀行に振り込んで欲しいと言われたが、土曜日だったのでこちらが振り込んでも、着金は月曜日になってしまうので、意味がなく、あきらめた記憶があります。
このタイムラグは何なのだろうか?
みずほ銀行のたびたびのエラーのようにシステムがガラパゴスで互換性が乏しいのだろうか?
もう20年前の話だが、タイだけではなく東南アジアを旅行して驚いたのは、まず銀行カードでの出金がATMで24時間できるという便利さ。その後在住しタイの銀行カードを持って驚いたのが、企業や友人への個人間送金が簡単で、アプリからだと24時間送金ができ、即時着金するという事だ。振り込んだら1秒後には友達の口座に入金されている。
なんて便利なのだろうと感じた記憶があります。
最近ではQRコードでの送金もでき、BtoCでもよく使われている。例えば友達に貸した500Bを振り込んで欲しいと思えば、自分の銀行アプリを使用して500B分のQRコードを作成し、友達にそのQRコードをおくるだけで済む。(例えばLineで送信する)友達は銀行(他社でもOK)アプリでそのQRコードを読み取るだけで発行された金額だけを自分の口座から即送金することができる。
この便利さはタイでは日常的に使われており、路上の屋台のおばちゃんから、トラックでの野菜売りのおじさんまでみんな使用している。
日本でいうバラバラで複数あるQRコード支払サービスに入らなくても、自分の銀行口座とスマホさえ持っていれば同じサービスを使えるのだから便利だし、カードをなくす心配もない。(みんな財布は落とすがスマホをなくす確率は低い)
スマホアプリを使った銀行口座で即時決済というのは便利で素晴らしい。
その「スマホで即送金」サービスがタイ国内だけでなく、他国でも可能というのだから画期的である。このような2国間でのデジタル送金システムは互換接続は世界初らしいです。
他国とはシンガポールのことである。ニュースによると「シンガポールとタイの金融当局は、両国で運用している個人向け銀行口座間デジタル送金システムの接続開始を発表した」とのコト。
それぞれのシステムは携帯番号に紐づけられており、今後は両国の国境を越えて相手の携帯番号さえわかれば送金が可能となります。
両国金融当局からの発表
シンガポールの金融通貨庁(MAS:Monetary Authority of Singapore)とタイの中央銀行(BOT:Bank of Thailand)によって、2021年4月29日付で発表されたのは、シンガポールの「PayNow(ペイナウ)」とタイの「PromptPay(プロンプトペイ)」という両国で運用されている個人間のリアルタイムデジタル送金システムの相互接続である。
PayNow(ペイナウ)とは?
PayNowとは、シンガポール銀行協会(ABS:The Association of Banks in Singapore)が2017年7月から展開している、個人間のデジタル送金サービスである。
シンガポール国内の銀行間での送金・受け取りを可能にし、無料で24時間365日利用できる。参加行は2021年4月末時点で下記の9行であり、シンガポール国内の個人間送金がほとんど網羅されています。
- Bank of China
- Citibank Singapore
- DBS Bank/POSB
- HSBC
- Industrial and Commercial Bank of China
- Maybank
- OCBC
- Standard Chartered Bank
- UOB
PayNowは基本的にはスマートフォンでの利用が想定されており、送金相手の携帯電話番号を入力するだけで送金でき、数分以内に携帯番号と連動した銀行口座に入金される。
2021年3月の利用額が60億シンガポールドル(約5,000億円)に達しており、決済インフラとして国民生活に定着している。以前にはDBSの「Pay Lah!」のようにシンガポール国内の個別行が提供する個人向け送金サービスも存在したが、「ペイナウ」登場によって、淘汰が進みつつあります。
2018年8月からは、法人向けの「PayNow Corporate」も開始されており、企業間の小口送金や個人が店舗で支払う場合にも利用できる。リアル店舗やオンラインショップでの支払いには、携帯番号の他に事業者固有の番号(Unique Entity Number: UEN)も設定されており、さまざまな利用シーンに対応できるようになっています。
Prompt Pay(プロンプトペイ)とは?
銀行口座に携帯電話番号を紐づけることで、銀行アプリやインターネットバンキング、ATM上で簡単に送金ができるタイ国内のデジタル決済システムで、2017年1月に本格始動している。同年8月には、同じ決済インフラの上で、国内のQRコード決済を統一したサービスも導入されるなど、タイはキャッシュレス政策を着々と推進させています。
プロンプトペイの利用は、携帯アプリやネットバンキングの場合には無料であるが、ATMで利用する場合には以下のような手数料がかかります。
送金金額 | 額取引手数料(ATM利用) |
---|---|
5,000バーツまで | 無料 |
5,000~3万バーツまで | 2バーツ |
3万~10万バーツまで | 5バーツ |
10万~20万バーツまで | 10バーツ |
タイでは、銀行口座保有者が8割超となっていたが、クレジットカードの普及率が10%に満たない状況であったのに対し、プロンプトペイの登録は導入後4年ほどで総人口の約3分の2にあたる4500万人超となり、2021年3月の利用額が2兆バーツ(約7兆円)を超える水準となっています。
このことからも、プロンプトペイがキャッシュレス決済手段として普及していることがうかがわます。
さらに、三菱フィナンシャルグループ(MUFG)傘下にあるタイのアユタヤ銀行は、同行のプロンプトペイ利用顧客が、日本の商業施設で支払いができるサービスを2019年より開始するなど、海外連携も開始されています。