(STEP-1) 現在の「在留資格」と新しい業務の照合
すでに日本にいる外国人を採用するためには、「『在留資格』の確認」を済ませたあとに、その「資格内」の活動内容と新しい業務内容の照らし合わせをします。現在の在留資格内で可能な活動内容と新しい業務内容との間にそごがある場合、在留資格の変更手続きをする必要があります。
*業務内容が「資格内」であるかどうかの判断が難しい場合、企業を管轄する入国管理局または専門家へお問い合わせください。
(STEP-2) 雇用契約書の作成と署名
採用する外国人の在留資格を確認し、不備がない場合は、企業側が雇用契約書の作成をします。雇用契約書は日本語と採用する外国人の母国語、もしくは英語で作成します。
(STEP-3) 入国管理申請手続き・在留資格変更など
留学を終えて就職する際、あるいは外国人の転職前後の職種によっては、在留資格の変更申請をおこなう必要があります。
パターンに分けて説明
① 業務内容が外国人の現有在留資格の範囲外のものである場合、雇入れ企業と外国人が協力して入国管理局へ在留資格変更許可申請をおこないます。
本来の在留資格に基づく活動をおこなっていない場合には、在留資格を取り消される恐れがありますので、かならず期間内に手続きを完了するようにしましょう。
「在留資格変更許可申請」の申請に必要となる書類は次のとおりです。
- 申請書
- 写真(縦40mm×横30mm、1枚、写真の裏面に氏名を記入し,申請書に添付して提出)
- 日本での活動内容に応じた資料
- 在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含みます)
- 資格外活動許可書
- 旅券又は在留資格証明書(旅券又は在留資格証明書を提示することができない場合、その理由を記載した理由書)
- 身分を証する文書
- 収入印紙(4,000円)
この申請期間は、在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前です。
申請書用紙などの詳細についてはこちら>>法務省:在留資格変更許可申請
② 業務内容が外国人の現有在留資格に含まれている場合、在留資格に関して特に申請する必要はありません。
ただし、転職する外国人の採用が決まったら、入国管理局やハローワークに各種届出を提出する義務があります。
③ 日本の専門学校・大学・大学院で卒業した外国人を新卒として採用した場合、留学生本人の住所地を管轄する最寄りの地方入国管理局にて在留資格変更許可申請をおこないます。
新卒の外国人を正社員として採用する場合、「留学ビザ」から「就労ビザ」に切り替える必要があります。要するに、企業が国からその外国人に働いてもらう許可をもらわないと正式雇用ができないのです。
変更の仕方は①とほぼ変わりませんが、準備する資料が多少異なることもあります。
申請書用紙などの詳細についてはこちら>> 法務省:在留資格変更許可申請
(STEP-4) 各種届出手続き
転職する外国人の採用が決まったら、入国管理局やハローワークにて各種届出の手続きをしなければなりません。
まず、外国人が転職をして元の契約が終了・新たな契約の締結があった場合、終了・新規両方の契約について入国管理局に「契約機関に関する届出」を提出する必要があります。
そして雇入れた企業には、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」の提出が義務付けられています。届出を怠ると、30万円以下の罰金が科されます
就労ビザ取得に関して企業側が注意すべきこと
(1)前職や出身/卒業学校をきちんとチェック
就労ビザ申請の時、外国人にどんな経験があるのか、どんな勉強をしてきたのか、その知識や経験を企業でどのように活かすことができるのかなどを入国管理局に書面で説明する必要があります。そのため、企業側は外国人の前職や出身、学歴をきちんと確認した上で従事予定業務との関連性を把握しておくことが必要です。
(2)外国人雇用について最低限の知識を覚える
外国人を雇用する場合、労働基準法などの労働関係法規や労災保険の適用、社会保険の加入、所得税・住民税も日本人と同様に扱うことが必要です。また、外国人を雇用する際のルールは出入国管理及び難民認定法(入管法)に定められており、ルールを破ると不法就労となり、企業は懲役3年以下または300万円以下の罰金が科されます。
(3)ビザの有効期限に注意
就労ビザ(在留資格)には有効期限があります。在留期限を確認せず、在留期限の切れた外国人を就労させてしまうと、不法就労で企業は刑罰を受けることになります。
(4)再入国許可の有無を明確に
日本に在留している外国人は、「再入国許可」や「みなし再入国許可」という手続きを受けずに日本から出国すると、外国人が有していた在留資格及び在留期間は原則として出国と同時に消滅してしまいます。そのため、外国人がこれらの手続きを受けずに出国した場合、日本への再入国はできず、入国するためには新たに在留資格を取得する手続きをおこなう必要があります。状況によっては、出国前と同じ在留資格を取得できない可能性もあります。